OUTLINE

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芝草 - 隅田川川縁
The Piece of Turf - Riverside of Sumida River
2023 / Giclee-print / 50×277cm

《芝草》シリーズについて

解剖学、博物学に精通していた北方ルネサンス期ドイツの画家アルブレヒト・デューラー(Albrecht Dürer 1471-1528)の作品に一部、精緻に身の回りの雑草を個人的な 観察目的で描いた水彩画「芝草」というシリーズが残っている。元の作品群の特徴である、必要以上に画面全てにピントが合いきっているような「精緻な描写」と北方ル ネサンスの特徴でもある「押し花のような立体表現・空間構造」を引用。現代の身の回りの風景を用いながら「精緻で正確であるがゆえに現実とは違って見える絵画的現実」 の再現を試みた。

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installation views at MA2 Gallery / ©️ 2023 Mami Kosemura

 

 

過去の制作では絵画空間を再現しようとする際には、セットを組んで実証することが主体であった。今回は現実空間(屋外のちょっとした風景、状況)自体に上記のよう な絵画構造になり得る要素を探しだし、加えてライティングや物の形状の変形などの演出を加えない形で撮影を行った。つまり多少の整えと白い背景を入れた以外、今回 の3作品は全てその日の天候による自然光と自然の状況のみ、で現実の状況がそのまま撮影されている。場所自体もほとんど誰にも手入れをされていない川縁の一角や、 ごくありふれた個人の裏庭の端である。現実の中に、ある瞬間だけ絵画的な状況が立ち現れる、ほんの少しの出来事がその状況を絵画らしく見せる要素になる、というような発見の収集である。

- 作品解説(そこ もの こと/MA2 Gallery/ 2023)より

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